RIVALS EYE【30CLIMAX:D地区】

RIVALS EYEとは

ライバル達が熱いホンネをぶつけ合う

30リーグ参加団体による公式戦の観戦レポートです

今回は30CLIMAX『演劇ユニット衝空観×虹色りきゅーる』を

D地区がレポート

はたしてライバルはこの試合をどう観たのか?


【D地区レポート】


演劇ユニット衝空観『SN enc Y』

両親の離婚後、長らく離れて暮らす兄弟。地元に残った弟と、久々に帰省した兄、その二人の、どこかよそよそしい会話から物語は始まります。

しかし、記憶を辿る旅に突入すると、お笑いライブよろしく

罰ゲームコーナー、ギャグ小ネタの応酬、息の合った運動会の全力再現など

アドリブ感満載の、テンポの良い掛け合いが続き

兄弟が一緒に暮らしていた頃の、仲の良さが伺えて自然と笑みがこぼれました。

こんな思い出あったっけ、と訝る兄に、弟は返します。

この旅は『あったかもしれない記憶』を辿っていると。

一緒に暮らすことが出来ていれば、存在していたかもしれない日々

兄との空白の時間を取り戻そうとしている弟の姿がいじらしく、胸に迫るものがありました。

前半部分の温度差も相まって、より一層切なさの深度が増したように感じられました。


虹色りきゅーる『純情♥HAPPY ENCOUNT !』

これまでの作品では異世界のファンタジーを扱ってきた虹色りきゅーるさん。

ネットコミュニティと恋愛、という我々の日常に近い設定でしたが

キャラクターの濃い登場人物たちを描く鮮やかさは健在で

リアルとファンタジーの狭間に在るような作品という印象を受けました。

笑いどころが随所にあり、蛙化現象というテーマが重くなりすぎず、観客の共感を生みやすい仕上がりになっていると感じました。

主人公の蛙子も不器用ですが、真っ直ぐな表現でしか愛や自分の魅力を伝えられない相手の鳴尾もまた、不器用な人間に思えて、興味深く物語を追いました。

個人的には、小動物のような見た目とは裏腹にオッサンが漏れ出る可憐ちゃんに心を奪われ

他の三人には無い、緩やかなリズムの風子との会話シーンには、心が解れました。

脇のお二人が作品の良いアクセントになっていたと思います。


文責:津熊海琴(D地区)

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