Chairmans EYE -第六節展望-

CHAIRMANS EYEとは

30リーグチェアマンの上田ダイゴが

独断と偏見と妄想で

30リーグ2023の見どころや

注目ポイントを紹介するコーナーです

今回は第六節

『遊劇!浪漫派FAMILIAR×[フキョウワ]』を

独自の目線で徹底解説します!!

様々な波乱を生んだ30リーグ2023もいよいよ大詰め。この戦いで30リーグ優勝決定戦『30CLIMAX』対戦カードが決まる第六節『遊劇!浪漫派FAMILIAR(以下FAMI)×[フキョウワ](以下フキョウワ)』を残すのみとなった。


CHAIRMANS PREDICT

第六節の展望を考える前に現時点での劇リーグ三団体のリーグ優勝条件を整理してみよう。

まず現在一勝しているFAMIは第六節の戦いにおいて得票数に関係なく勝てば文句なしで優勝。逆にまだ勝ち星のないフキョウワ105票以上を獲得して勝たなければ優勝出来ないというかなり厳しい状況である。そして105票以下でフキョウワが勝利した場合は三団体が一勝一敗で並ぶので、得票数で既にリーグ戦を終えている演劇ユニット衝空観(以下衝空観)の優勝となる。つまり確率こそ差があるものの現時点ではまだ三団体にリーグ優勝の可能性が残っているのだ。

ではその優勝確率だが、上記の数字だけを見た場合『FAMI:55%、衝空観:40%、フキョウワ5%』くらいと考えるのが妥当であろう。しかし数字だけでは測れない波乱が起こるのが今年の30リーグ。第六節を戦う両団体を分析しつつ、波乱を生みそうな要因を探してみよう。

CHAIRMANS ANALYZE

まずは先攻を務めるFAMI。第二節では老若男女が楽しめるハートウォーミングなコメディで衝空観に勝利。団体からの情報によると決勝進出をかけた今回の一戦は、途中で作品の変更があった模様だが、発表されているあらすじを読む限り、今回もハートウォーミングな内容ではないかと推測される。前回の勝利を踏まえて団体のファンが求めているものを提供しようとする姿勢は、シンプルであるが故に堅実効果的といえよう。出演者団体メンバープラス気心の知れているであろう役者で固めたと思われるオーダーを組んでおり、作品面での不安要素はほぼなさそうである。

しかし堅実であるが故の不安もないことはない。その不安の元はやはり上演順番である。前回のFAMIの勝利は後攻での勝利だったのだが、何度も言っている通り30リーグ形式の戦いでは先攻勝利する為には後攻倍以上の力が必要。先に後攻で勝利を収めた団体が同じ心持ちで先攻の戦いに挑み、手痛い目に遭う事は珍しくない。

堅実なのは良いのだが、もし前回の勝利で勝ための算段甘く見積もっているのなら要注意。先攻の戦いの難しさをどこまで考慮して準備が出来ているかが勝利への鍵となりそうだ。もっとも30リーグ優勝へのこだわり人一倍強いFAMIの事。その辺りの対策も抜かりはないであろうが。

そしてFAMIには先を見越してもう一つ考えておかなければならないのが得票数である。確かに今回の戦いは得票数に関わらず勝ちさえすればリーグ優勝30CLIMAX進出が決定するのだが、ここでも上演順番が大きく関わって来るからだ。

火リーグでは既に虹色りきゅーる勝ち点430CLIMAX進出を決めており、第六節をFAMIが勝てば同じく勝ち点4同ポイントとなる。この場合、30CLIMAX上演順番リーグ戦での総得票数の多い方決定権があるのだが、先ほどから言っている通り30リーグでは後攻が断然有利。当然両団体とも後攻が欲しいところだ。

現時点でのFAMIの得票数は63票虹色りきゅーるの総得票は90票なので、FAMIとしては勝つのはもちろんの事、27票以上を得票して勝利する事がこの戦いにおいての絶対条件と言えるだろう。

対するフキョウワ第四節にて衝空観大差で敗れたものの、作品の評価すこぶる高く、作品内容だけで見れば甲乙つけ難い好勝負であった。大差がついてしまった主な理由はキャストの集客力の差の様に見受けられた。

その反省を踏まえてか今回のフキョウワキャストは、前回の自団体メンバーのみの二名から客演のみの七名と飛躍的に増加。聞けばキャストは全員オーディションにより選ばれたとの事。フレッシュ大所帯の座組を組む事によって少人数ユニット弱点である集客力をカバーする作戦に出た。

確かに即効性のある理に適った作戦ではあるが、過去の30リーグでは少人数ユニットの場合、客演で出演者を増やせば増やすほど勝率が下がってしまう傾向にある事を忘れてはいけない。しかも今回はオーディションで選ばれたほぼ全員初めましてとなる出演者との作品作りだ。正直なところ、長年30リーグ形式の試合を観て来た者としては、無謀ハイリスク大博打と言わざるを得ない。

しかし上記の通り、フキョウワリーグ優勝するためには105票獲得した上での勝利という、普通の事をやっていてはまず不可能な状況である。そう考えればフキョウワ的には優勝するために選択した当然の戦術とも言える。

もちろん大博打ではあるがただの玉砕になると決まった訳ではない。第二節の作品を観る限りフキョウワ大穴を引き当てる可能性十分にあると私は見ている。上演順番後攻というアドバンテージを追い風にして30リーグ最大の大逆転を起こせるか?演出家・下野佑樹の手綱さばきに期待したい。


上田ダイゴ(30リーグチェアマン)

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